    
仙台の庄司美知子先生の主催なさっている「みちの会」の会報に載ったものをそのまま引用しています。
手抜きでごめんなさい; もっと質問がありましたらこちらにどうぞ!
Q1:現在住んでいる街の様子を教えてください。
今住んでいるのは、ロッテルダムという、オランダ南部の港街です.
オランダ第二の都市だけあり、人口も60万人ほどで、賑やかなところです。サッカーの小野もいます。
オランダの町並みと言えばレンガ造りのメルヘンチックな家々に、縦横無尽に走る運河が思い浮かぶのですが、ここロッテルダムだけは例外で近代的な雰囲気です。(第二次世界大戦で崩壊してしまったせいです。)そのせいか、建築の分野も盛んで不思議な形をした建築物が街のあちこちに点在しています。
良い意味でも悪い意味でもヨーロッパらしからぬ街で(学校の友達の多くはそれを嘆いていますが)私はけっこう気に入っています。とりあえず生活には不便はないし、住むには良いところです。
Q2:現在通っている学校の名前と雰囲気を教えてください。
現在通っているのは、ロッテルダム音楽院というところです。
これまたイメージしていた「ヨーロッパの音楽院」を見事に裏切るような近代的な外観で、駅前の一等地にどーんと構える十階建てのビルディングです。
学校は音楽科とダンス科(モダンバレエが主)に別れており、更に音楽科の中にもクラシック、ジャズ、ワールドミュージック・・・といろいろなコースがあるので、最初訪れた時はその規模の大きさと生徒の多様性に驚きました。
クラシックピアノに限れば、学生は50人強でしょうか??
First PhaseとSecond Phaseの二つのコースがあり、前者が4年、後者が2年でそれぞれ大学と大学院のような内容になっています。
私は桐朋学園3年時に留学したのでどちらを受ければいいのか悩んだのですが運良くSecondの方に合格することができました。
学校の雰囲気は自由で明るい感じです。多種多様な人々と接することができ彼らと話すことはとても刺激になります。
それにしても学生ホールにいると聞こえてくる、スペイン語、フランス語、イタリア語、英語、中国語、トルコ語・・・
(意外なほどオランダ人は少ないのでオランダ語はあまり聞きません。それ故オランダ語まったくしゃべれません・・;)
ここはどこ?と思わず思考停止してしまうほどです。
Q3:現在の生活はどんな感じですか?
基本的に学校の授業がレッスンのみなので、週各一回の教授とアシスタントの講師のレッスンの他は自主学習です。
コンサートやコンクールで更にレッスンが必要な場合は教授の自宅(ベルギー)でレッスンをして下さることもあります。
(ロッテルダム→ブリュッセルは2時間弱なので割と近いです)
また月1〜2回学校内のホールでクラスコンサートがあり自由に参加できます。コンサートの後は皆で意見を交わしたり感想を述べ合ったりするのでとても勉強になります。
その他に、Secondに所属していると、学校の方からコンサートの機会を与えてもらえる事もあります。
学校からの話以外にも教授に推薦していただけたりして、
コンサートで演奏できる機会は日本とは比べ物にならないほどあります。
大体が教会でのランチコンサートで45分ほどのリサイタルですが、私たち学生にとっては大きなチャンスであり、絶好の勉強の機会です。
留学して驚いたことのひとつがクラシック音楽がごく自然に人々に浸透していることです。教会でのコンサートも毎週のようにあり、予告なしでも近所の人々がふらりとやってきます。
日本でクラシックのコンサートといったらまだ堅苦しいイメージが拭いきれない感がありますが、やはり伝統の差なのでしょうか?
もちろんドレスアップして聴きに行くようなコンサートもたくさん行われていますが(それでも敷居は低いです。アルゲリッチクラスのコンサートでも学生は5ユーロ=600円ほどで聴くことができます。日本では5000円はとるよ、と言ったら皆仰天していました。)その他にも小さなコンサートがたくさん開かれ、若い音楽家に多くの機会が与えられていること、そしてそんな無名の演奏家たちのコンサートを聴きにくる純粋なクラシックファンがたくさんいることは本当に素晴らしいことだと思います。
こっちの学生は皆勤勉で真面目ですが、練習ばっかりしている訳ではなくしっかりと遊んでもいます(笑)
学校が閉まる10時までみっちり練習し、疲れきって帰宅すると思いきや「さぁ!遊びにいこう!!」と毎晩どんちゃん騒ぎ・・・。最初の頃は誘われるがままにパーティー三昧な日々を過ごしていたりもしましたが、そうなるとどう頑張っても寝坊してしまう。どんどん昼夜逆転し、疲れて練習に気が入らない・・と元も子もないので、最近はうまく断って調節しています。
たまにパーティーに行きますが、やはり翌日は時差ぼけのような症状に襲われます・・。
どんなに騒いでも次の日には「Hi !
Good Morning!」なんて爽やかにしている彼らは化け物のようです(笑)
でも勉強も遊びも120%という彼らの考え方には共感できるものがあり、そのけじめのつけかたには全く感心させられます。
Q4:現在指示している先生とレッスンの雰囲気を教えてください。
現在師事しているのは Aquiles
Delle Vigne 先生で、何度か来日し、仙台でもマスタークラスを開いたことがあったので知っている方も多いかと思います。
レッスンは自由に聴講できるので、時間帯によってはたくさん生徒が聴いていることもあります。
先生のレッスンが素晴らしいのは言うまでもありませんが、先生は人間としても非常に尊敬できる方で、会う度に、ああこの先生について来て本当に良かった!と思わされます。
きちんと準備してレッスンに臨めば、その努力を満面の笑みでたたえて、こちらが恥ずかしくなってしまうほどの言葉を下さったりします。
でも、出来が悪かったりするとそこは容赦なく、激しくはないものの厳しいレッスンとなり、落ち込むことに。
でもレッスンが終わった後には必ず優しいフォローが入り、あぁ何が何でも来週は頑張ろう!と思わせてしまう。
本人たち以上に生徒の心理を理解なさっていて、飴と鞭を使い分けた指導をしてくださいます。
門下生は皆仲が良く、和やかでとてもいいクラスです。
レッスンの後は先生が皆を引き連れて食事に連れて行って下さることもあります。
Q5:ベッリーニ国際コンクールで演奏した曲目を教えてください。
一次予選
Scarlatti: Sonata
Bach: Prelude and Fuga No.13 BWV858
Chopin: Etude op.25-5
Scriabin: Etude op.8-12
Debussy: Feux d'artifice
二次予選
Haydn: Sonata No.60 Hob.50
Chopin: Polonaise Fantaisie op.61
Prokofiev: Sonata No.7 op.83
本選
Mozart: Piano Concert No.20 k.466
Q6:3位に入賞した感想をどうぞ。
このコンクールに関してはいろいろトラブルが多く、演奏も100%満足できるものではありませんでしたが持ち味である自分の良い部分を出すことができたと思います。それが認められ、このように賞をいただけたことを非常に嬉しく思っています。
Q7:美知子先生とのレッスンの思い出を教えてください。
先生には小学3年から中学卒業まで、9年間お世話になりました。先生のお家の玄関に通じる階段を慌てて駆け上った事、レッスンを待つ間読んだ本のこと、先生が隣で一緒に弾いて下さると今まで難しかったパッセージもなぜか上手に弾けた事・・懐かしく思い出します。
先生との思い出は数え切れないほどありますが特に印象に残っているのが中学3年生の時出させていただいた「もりの都メモリアルコンサート」のことです。
コンチェルトは初めてではなかったのですが、なにしろ市の主催する大きなコンサート、若い音楽家のためのチャイコフスキーコンクールの入賞者との共演ということもあって、緊張気味だった私を支えてくださったのが美知子先生でした。
本番にむけてレッスンを重ね自信を持たせてくださり、勝手のわからない私と一緒にリハーサルにも付き添ってくださいました。腕をあげるときにドレスがひきつったようになってしまう・・なんていう悩みにお直しのお店を紹介してくださったりもしました。
結果、本番は大成功に終わり、それを我が事のように大喜びしてくださったこと、楽屋に帰った時に褒めていただき嬉しかったことを覚えています。
美知子先生、本当にどうもありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

|